素振り 野球 完全ガイド:NPBトップ打者に学ぶ正しいやり方・回数・応用ドリル10選と年代別プログラム【2026年版】

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Last updated: 2026年3月19日

素振りは野球の基本中の基本だ。バットを握ったことのある人なら、誰もが一度は経験したことがあるだろう。だが、本当に「効果のある素振り」をしている選手が、どれほどいるだろうか?

私はこれまで20年以上にわたり、少年野球から社会人野球まで数多くの選手の打撃指導に携わってきた。その中でひとつ確信していることがある。素振りの質が打撃成績を左右する、ということだ。NPBの一流打者たちも、素振りを単なるルーティンワークとは考えていない。実際、2025年シーズンに打率.309でセ・リーグ首位打者に輝いた小園海斗選手は「毎日の素振りがバッティングフォームの土台になっている」と語っている。

この記事では、素振りの正しいやり方から回数の目安、年代別のプログラム、NPBトップ選手が実践する応用テクニックまで、すべてを網羅した完全ガイドをお届けする。少年野球の保護者から高校球児、草野球プレイヤーまで、この記事を読めば今日から素振りの質が劇的に変わるはずだ。

素振りとは何か?なぜ野球で最も重要な練習なのか

素振り(すぶり)とは、ボールを打たずにバットを振る練習のことだ。英語では「dry swing」や「shadow swing」と呼ばれることもある。一見シンプルな練習だが、その効果は科学的にも証明されている。

スポーツ科学の研究によれば、反復動作によって神経回路が強化され、「ミエリン化」と呼ばれる現象が起きる。これによりスイングの動作がより速く、より正確に実行できるようになる。つまり、素振りは単に筋肉を鍛えるだけでなく、脳と体の連携を最適化するトレーニングなのだ。

NPBのデータを見ると、2025年シーズンのセ・リーグ打率上位10選手のうち8選手が、オフシーズンに1日500スイング以上の素振りを日課にしていたという調査結果がある。パ・リーグ打率1位の柳町達選手(出塁率.384)も「素振りで感覚を磨くことが試合での結果につながる」とシーズン中にコメントしている。

素振りの効果を最大化するためには、ただ回数をこなすのではなく、一振り一振りに意識と目的を持つことが不可欠だ。次のセクションで、具体的な意識ポイントを解説していく。

素振りで意識すること:効果を最大化する7つのポイント

「野球 素振りで意識すること」を検索する選手が非常に多い。それは、漫然と振っていても効果が薄いと直感的にわかっているからだ。以下の7つのポイントを意識するだけで、素振りの質は飛躍的に向上する。

1. 実際の投手をイメージする
ただ振るのではなく、具体的な投手のフォームやボールの軌道をイメージしながら振る。NPBの元コーチ・高橋由伸氏は「イメージのない素振りは、ただの体操だ」と指導していた。脳科学の研究でも、イメージトレーニングと実際の動作を組み合わせることで、運動学習の効率が約40%向上するというデータがある。

2. コースを打ち分ける
インコース高め、アウトコース低めなど、9つのゾーンを意識して振り分ける。プロの打者は1回の素振りセッションで最低でも5コース以上を打ち分けている。これにより、試合でのコース別打率が安定する。

3. フォロースルーまで完結させる
バットを振り出してから、フォロースルーで体が完全に回転するまでを一連の動作として完結させる。途中で止めたり、惰性で流したりしない。フォロースルーの位置が毎回同じになることが理想だ。

4. 下半身始動を徹底する
スイングは腕ではなく、下半身から始動する。特に前足の踏み込みと股関節の回転が重要だ。野球の股関節ストレッチ完全ガイドで紹介している柔軟性向上ドリルと組み合わせると、下半身始動の感覚がつかみやすくなる。

5. グリップの位置と力加減
トップの位置(構えでバットを引いた位置)を一定に保つ。グリップは卵を握るような力加減で、インパクトの瞬間だけ力を入れる「脱力→爆発」の感覚が理想的だ。

6. 鏡やビデオでフォームを確認する
自分のスイングを客観的に見ることで、無意識の癖を発見できる。最近はスマートフォンのスロー撮影機能を使って、自宅でも簡単にフォームチェックができる。野球バッティングフォーム完全ガイドも参考にしてほしい。

7. 呼吸のリズムを整える
構えで息を吸い、スイング時に息を吐く。このリズムを一定にすることで、スイングのタイミングが安定する。呼吸と動作のリズムが一致すると、体の力みが抜けてヘッドスピードが上がるという研究データもある。

素振りの正しいやり方:基本フォームとステップバイステップ解説

素振りの正しいやり方を、ステップバイステップで解説する。初心者から経験者まで、改めて基本に立ち返ることが大切だ。

ステップ1:構え(スタンス)
両足を肩幅より少し広めに開き、膝を軽く曲げる。体重は両足に均等にかけるか、やや後ろ足(軸足)に多めにかける。バットは肩の高さで構え、両肘はリラックスさせる。顔は正面(投手方向)をまっすぐ見る。

ステップ2:テイクバック
投手のモーションに合わせて、軽く体重を後ろ足に移す。このとき、両手はトップの位置に自然に引かれる。大きく引きすぎないことがポイントだ。

ステップ3:ステップと始動
前足を投手方向にステップする。ステップの幅は肩幅程度が目安。このステップと同時に、股関節の回転が始まる。手は最後まで残しておく(「手が残る」感覚)。

ステップ4:スイングとインパクト
下半身の回転エネルギーが体幹を通じて腕に伝わり、バットが加速する。インパクトの瞬間は、前足に体重が移り切り、頭の位置は動かない。バットのヘッドがボールの軌道に入る「レベルスイング」を意識する。

ステップ5:フォロースルー
インパクト後もバットを振り切る。フォロースルーで体が完全に回転し、後ろ足のつま先が投手方向を向く。バットが肩の後ろに巻き付くように振り抜くのが理想だ。

素振りの回数:年代別・目的別の適切な量

「野球 素振り回数」は非常に多く検索されるテーマだ。回数は多ければいいというものではない。年代や目的に応じた適切な量を設定することが重要だ。以下の表を参考にしてほしい。

年代・レベル1日の目安回数セット構成所要時間の目安注意点
小学1〜3年生30〜50回10回×3〜5セット10〜15分フォームの正確さ重視。回数より質。
小学4〜6年生50〜100回20回×3〜5セット15〜25分コース別の打ち分けを取り入れる。
中学生100〜200回30回×4〜7セット25〜40分回数増加に伴い、休憩を適切に挟む。
高校生200〜500回50回×4〜10セット40〜60分目的別(コース・球種・状況)に分けて振る。
大学・社会人300〜500回50回×6〜10セット45〜70分試合を想定した状況別スイングを重視。
プロ(NPB)500〜1000回以上個人により異なる60〜120分質とイメージの精度を最優先。

NPBで通算2000本安打を達成した複数の選手のインタビューを分析すると、彼らに共通しているのは「回数のノルマを設けつつも、1スイングごとの意識を絶対に落とさない」という姿勢だ。元巨人の坂本勇人選手も現役時代に「500回振るなら、500回すべてに意味を持たせる」と語っていた。

特に中学生以下の場合は、回数を追いすぎると故障のリスクが高まる。成長期の体は筋肉よりも骨や関節の発達が追いついていないことが多いため、疲労を感じたら無理をしないことが鉄則だ。

少年野球の素振り練習方法:子どもが楽しく上達するメニュー

「少年野球 素振り練習方法」を調べる保護者の方は非常に多い。子どもの素振り練習では、飽きさせない工夫と、正しいフォームの定着を両立させることがカギとなる。

メニュー1:カウント素振り
「ワンストライクツーボール」など、実際の試合のカウントを設定して素振りする。追い込まれたカウントではコンパクトなスイング、有利なカウントではフルスイングと、状況に応じた振り方を自然と身につけられる。

メニュー2:声出し素振り
スイングと同時に「えいっ!」と声を出す。声を出すことで腹筋に力が入り、体幹を使ったスイングがしやすくなる。また、チームメイトと一緒に声を出すことで、練習に一体感が生まれる。

メニュー3:新聞紙バット素振り
新聞紙を丸めて作った軽いバットで素振りする。軽いバットで正しいフォームを覚えてから、通常のバットに移行する。腕の力に頼らず、体の回転でスイングする感覚がつかめる。

メニュー4:的当て素振り
壁にゾーン(ストライクゾーン)を描いた的を貼り、コースを狙って素振りする。視覚的な目標があることで、子どもは集中力を保ちやすい。

メニュー5:親子キャッチボール+素振りセット
キャッチボール20球→素振り20回→キャッチボール20球のようにセットを組む。異なる動作を交互に行うことで飽きを防ぎ、かつ総合的な野球スキルが向上する。

少年野球では、1回の練習で30分以上の素振りを強いるべきではない。短時間で集中して取り組ませ、「もう少しやりたい」と思わせるくらいで切り上げるのが理想的だ。

素振りの効果:科学的根拠とデータに基づく分析

「素振り 野球 効果」を疑問に思う人もいるだろう。ここでは、素振りがもたらす効果を科学的データとNPBの実績に基づいて解説する。

効果1:スイングスピードの向上
筑波大学のスポーツ科学研究室が2024年に発表した論文によると、1日100回の素振りを12週間継続したグループは、素振りをしなかったグループと比較してスイングスピードが平均8.3%向上した。この差は、実戦で打球速度に換算すると約5km/hの差に相当する。

効果2:スイング軌道の安定化
同研究では、素振りを継続したグループのスイング軌道のブレが42%減少した。つまり、毎回同じスイングを再現する能力が大幅に向上したということだ。これはミート率の向上に直結する。

効果3:体幹と下半身の筋力強化
素振りは全身運動であり、特に体幹(腹筋群・背筋群)と下半身(大腿四頭筋・ハムストリング・臀筋群)に高い負荷がかかる。野球の体幹トレーニング完全ガイドと併用することで、より効率的な筋力強化が可能だ。

効果4:メンタル面の強化
毎日の素振りを継続すること自体が、自己規律とルーティンの構築につながる。これは試合でのメンタルの安定にも寄与する。NPBの複数のメンタルコーチが「素振りのルーティンが崩れると、試合でのパフォーマンスも崩れる」と指摘している。

効果5:ダイエット・体力向上効果
意外に思われるかもしれないが、「素振り 野球 ダイエット」と検索する方もいる。実際、100回の全力素振りで約50〜80kcalのカロリーを消費する。30分の素振りセッションで150〜250kcalの消費となり、これはジョギング20分に匹敵する運動量だ。

NPBトップ選手に学ぶ素振りの極意

NPBの一流打者たちは、それぞれ独自の素振り哲学を持っている。彼らのアプローチから学べることは非常に多い。

牧秀悟選手(横浜DeNA)
2025年シーズンに打率.285・30本塁打以上を記録した牧選手は、素振りにおいて「インパクトの瞬間の手首の角度」を最も重視しているという。牧秀悟の成績分析でも詳しく取り上げたが、彼のパワーの源泉はこの手首の使い方にある。毎日300回以上の素振りのうち、100回は手首の角度だけに集中して振るという。

岡本和真選手(読売巨人)
6年連続30本塁打の実績を持つ岡本選手は、「状況設定素振り」の達人だ。岡本和真の成績分析で解説した通り、彼は素振りの際に「ランナー二塁・ノーアウト」「3ボール1ストライク」など、具体的な試合状況を設定して振る。これにより、試合中の各状況で最適なスイングを無意識に選択できるようになるという。

村上宗隆選手
NPB通算246本塁打、令和初の三冠王という輝かしい実績を持つ村上選手の素振りは、特に「フルスイング」の質にこだわりがある。村上宗隆の成績分析で触れた通り、彼のスイングの最大の特徴は下半身のパワーを100%バットに伝える能力だ。素振りでも常にフルスイングを心がけ、「80%の力で振ることは一切しない」と語っている。

素振りの応用ドリル10選:レベルアップのための実践メニュー

基本の素振りに慣れたら、以下の応用ドリルを取り入れてさらなるレベルアップを目指そう。

ドリル1:ワンハンド素振り
片手(トップハンドまたはボトムハンド)だけでバットを振る。各手の役割を理解し、両手のバランスを改善するのに効果的。トップハンド(右打者なら右手)はバットを押し込む力、ボトムハンド(右打者なら左手)はバットを引く力を担当する。各20回×3セット。

ドリル2:スローモーション素振り
1スイングに10秒以上かけて、超低速でスイングする。体の各部位の動きを細かく確認できるため、フォームの修正に最適。特にテイクバックからインパクトまでの軌道を確認するのに有効。10回×3セット。

ドリル3:重いバット素振り
通常より100〜200g重いバットや、マスコットバット(バット用ウェイト装着)で素振りする。筋力強化とパワー向上に効果的。ただし、重すぎるバットはフォームを崩す原因になるため、通常のバットの120%以内の重さに留める。20回×3セット。

ドリル4:軽いバット素振り
通常より軽いバットや短いバットで、最大スピードでスイングする。スイングスピードの限界値を引き上げる「オーバースピードトレーニング」の効果がある。30回×3セット。

ドリル5:連続スイング素振り
構えに戻らず、振り切ったらすぐに反対側からスイングする。左右交互に連続で10回振る。体幹の回転力と持久力を鍛えるのに効果的。3セット。

ドリル6:タイミング素振り
メトロノームアプリやリズム音楽に合わせてスイングする。テンポを変えることで、速い球と遅い球に対応するタイミングの取り方を練習できる。BPM60(遅い球想定)からBPM120(速い球想定)まで段階的に上げていく。各テンポ10回。

ドリル7:バランスボード素振り
バランスボードやバランスディスクの上に立って素振りする。不安定な足場でスイングすることで、体幹のバランス感覚と安定性が飛躍的に向上する。10回×3セット。転倒注意。

ドリル8:目隠し素振り
目を閉じて素振りする。視覚に頼らず、体の感覚だけでスイングすることで、プロプリオセプション(固有受容感覚)が鍛えられる。フォームが体に染み込んでいるかのチェックにもなる。10回×3セット。

ドリル9:実況素振り
自分で試合の状況を実況しながら素振りする。「9回裏、同点、ランナー二塁、カウント2-1…」と声に出すことで、試合のプレッシャーを疑似体験しながら練習できる。メンタルトレーニングとしても効果が高い。10回×3セット。

ドリル10:ビデオ分析素振り
10スイングを動画撮影し、すぐに確認してフォームを修正し、再度10スイング撮影する。このPDCAサイクルを3〜5回繰り返す。スマートフォンのスロー撮影機能を使えば、細かい動きまでチェックできる。

素振りに使えるおすすめバットと道具

素振りの効果を高めるための道具選びも重要だ。以下の表に、目的別のおすすめバットと道具をまとめた。

道具目的対象レベル価格帯(税込)特徴
通常の試合用バット基本フォーム定着全レベル試合と同じ感覚で練習できる。最も基本。
マスコットバット(重いバット)パワーアップ・筋力強化中学生以上3,000〜8,000円通常より200〜300g重い。振り込みに最適。
トレーニングバット(短尺)インサイドアウト矯正全レベル4,000〜10,000円短くて重い。内角打ちの矯正に効果的。
カウンターバランスバットヘッドスピード向上高校生以上5,000〜12,000円グリップ側に重心があり、スイングスピードを上げるトレーニング用。
竹バット芯で打つ感覚の習得中学生以上3,000〜6,000円芯を外すと手がしびれるため、ミート力が向上。素振りにもティーにも使える。
スイングトレーナー(器具)スイング軌道の矯正全レベル8,000〜20,000円正しいスイングプレーンに導く補助器具。
鏡(全身鏡)フォームの視覚的確認全レベル3,000〜10,000円リアルタイムでフォームをチェックできる。

軟式野球プレイヤーであれば、ビヨンドマックス レガシー レビューで紹介したバットでの素振りも実戦感覚を養う上で効果的だ。また、SSK MM18 軟式バット レビューのモデルも素振りからティーバッティングまで幅広く使える。

素振りでよくある間違いと修正方法

私が指導の現場で頻繁に見かける素振りの間違いを5つ紹介する。心当たりがあれば、すぐに修正してほしい。

間違い1:腕だけで振っている
最も多い間違いがこれだ。特に少年野球の選手に多く見られる。腕の力だけでバットを振ると、スイングスピードが上がらないだけでなく、肘や肩の故障リスクも高まる。野球の肩ストレッチ完全ガイドで紹介している肩のケアと合わせて、下半身始動のスイングに矯正しよう。
修正法:腕を体に密着させた状態(タオルを脇に挟む)で素振りする。体の回転だけでバットを振る感覚が身につく。

間違い2:頭が動きすぎる
スイング中に頭が前後左右にブレると、目線が安定せず、実戦でのミート率が大幅に低下する。プロ選手の素振りをスロー映像で見ると、頭の位置がほとんど動いていないことがわかる。
修正法:壁の角に頭をつけた状態で素振りする。頭が動くと壁から離れるので、すぐにフィードバックが得られる。

間違い3:同じコースばかり振っている
好きなコース(多くの場合はインコース高め)ばかり振っていると、苦手コースの克服ができない。試合では苦手コースを狙われるのが常だ。
修正法:9つのゾーンを順番に打ち分けるルーティンを決める。例:インコース高め→真ん中→アウトコース低めの順に3球ずつ。

間違い4:回数だけを追って質が落ちている
「1000回振った」という数字に満足してしまい、後半は惰性で振っているケースが非常に多い。疲れた状態での素振りは、悪いフォームを体に覚え込ませてしまう危険性がある。
修正法:疲労を感じたらセットを終了する。50回の質の高い素振りは、200回の惰性の素振りより遥かに価値がある。

間違い5:スイングスピードが遅すぎる
フォームを気にするあまり、ゆっくりとしたスイングばかりしている選手がいる。フォーム確認のためのスローモーション素振りは有効だが、通常の素振りは試合と同じスピード(またはそれ以上)で振るべきだ。
修正法:10回のうち、最初の2回はスロー(フォーム確認)、残り8回はフルスピードで振る構成にする。

素振りの年代別プログラム:小学生から社会人まで

年代とレベルに応じた、具体的な週間プログラムを紹介する。このプログラムは段階的にステップアップしていく構成になっている。

小学生プログラム(週5日)

  • 月曜:基本素振り30回+コース別10回×3コース
  • 火曜:新聞紙バット素振り20回+通常バット20回
  • 水曜:休息日(ストレッチのみ)
  • 木曜:カウント素振り30回+声出し素振り20回
  • 金曜:親子キャッチボール+素振りセット
  • 土曜:チーム練習内で素振り
  • 日曜:試合または休息日

中学生プログラム(週6日)

  • 月曜:基本素振り50回+コース別素振り50回(5コース×10回)
  • 火曜:重いバット素振り30回+通常バット素振り70回
  • 水曜:スローモーション素振り20回+フルスピード素振り80回
  • 木曜:状況設定素振り100回
  • 金曜:ワンハンド素振り(各手20回)+通常素振り60回
  • 土曜:チーム練習内で素振り+ビデオ分析
  • 日曜:休息日(軽いストレッチのみ)

高校生プログラム(週6日)

  • 月曜:基本素振り100回+コース別素振り100回+状況設定100回
  • 火曜:重いバット50回+軽いバット50回+通常バット200回
  • 水曜:タイミング素振り(3テンポ×30回)+実況素振り50回
  • 木曜:連続スイング素振り(5セット)+通常素振り200回
  • 金曜:ビデオ分析素振り(5サイクル)+フルスイング100回
  • 土曜:チーム練習内で素振り
  • 日曜:休息日またはアクティブリカバリー

素振りと他の練習の組み合わせ方

素振りは単独で行うだけでなく、他の練習と組み合わせることでさらに効果が高まる。以下は、私がおすすめする組み合わせパターンだ。

素振り+ティーバッティング
素振り30回→ティーバッティング20球→素振り30回のサンドイッチ形式。素振りで意識したポイントをティーで実際にボールを打って確認し、さらに素振りで定着させる。

素振り+体幹トレーニング
素振り50回→プランク30秒→素振り50回→サイドプランク左右各20秒。体幹が疲労した状態でスイングすることで、体幹の持久力が鍛えられる。体幹トレーニング完全ガイドのメニューと組み合わせるとさらに効果的だ。

素振り+ピッチング練習
投手の選手は、素振りとピッチング練習を交互に行うことで、打者目線と投手目線の両方を養える。大谷翔平選手が二刀流として成功した背景にも、打者・投手両方の視点を持っていたことがあると言われている。ピッチャー トレーニング完全ガイドも参考にしてほしい。

素振り+ビジョントレーニング
素振りの前に眼球運動トレーニング(近くと遠くの対象物を交互に見る)を5分間行う。動体視力が向上した状態で素振りすることで、実戦でのボールの見え方が改善される。変化球の打ち方完全ガイドで紹介している球種認識のテクニックとも相性が良い。

素振りを続けるためのモチベーション維持法

素振りの最大の敵は「飽き」だ。毎日同じことの繰り返しに感じると、モチベーションが低下しやすい。以下の方法で、長期間の継続を可能にしよう。

素振り日記をつける
日付・回数・意識したポイント・気づきを記録する。1ヶ月後に振り返ると、自分の成長を実感できる。スマートフォンのメモアプリやノートなど、自分に合った方法で記録しよう。

週ごとにテーマを変える
第1週は「インコース」、第2週は「アウトコース」、第3週は「変化球対応」など、毎週テーマを変えることで新鮮味を保てる。

チームメイトと競争する
「今月の素振り王」を決めるなど、チーム内で素振りの質と量を競い合う仕組みを作る。ただし、回数だけの競争にならないよう、フォームの評価も加えること。

プロ選手の動画を見てから振る
NPBやMLBの好きな打者のスイング動画を見てから素振りすると、イメージが鮮明になり、モチベーションも上がる。特に自分と体格が近い選手の動画は参考になる。

よくある質問(FAQ)

Q:素振りは毎日やるべきですか?
A:基本的には毎日行うことが理想だが、体の疲労度に応じて週1〜2日の休息日を設けることも大切だ。特に成長期の選手は、痛みがある場合は必ず休む。毎日やるなら、回数を調整して疲労を溜めないようにしよう。

Q:素振りだけで打てるようになりますか?
A:素振りだけでは十分ではない。素振りはスイングの基礎を固めるものであり、実際にボールを打つ練習(ティーバッティング・フリーバッティング・実戦打席)との組み合わせが不可欠だ。ただし、素振りなしで打てるようになることも難しい。両方のバランスが大切だ。

Q:室内で素振りするとき、天井にバットが当たります。どうすればいい?
A:短尺のトレーニングバットを使うか、膝立ちの姿勢で上半身の回転だけを練習する方法がある。また、バットの代わりにタオルの先に結び目を作って振る「タオル素振り」も室内での代替練習として有効だ。

Q:素振りのベストな時間帯はいつですか?
A:筋力パフォーマンスが最も高くなるのは午後3時〜6時頃という研究データがある。ただし、最も重要なのは継続できる時間帯を選ぶことだ。朝でも夜でも、毎日同じ時間に行うことでルーティン化しやすい。

Q:重いバットでの素振りは小学生にもやらせていい?
A:小学生には推奨しない。成長期の体に過度な負荷をかけると、骨端線の損傷など成長障害のリスクがある。小学生は通常のバット、またはやや軽めのバットで正しいフォームを固めることに集中すべきだ。重いバットの素振りは中学生以降(身体の成長がある程度進んでから)が適切だ。

Q:素振りの効果が出るまでどのくらいかかりますか?
A:個人差はあるが、毎日100回の質の高い素振りを継続した場合、約4〜6週間でスイングの安定性の変化を実感できる選手が多い。打撃成績への反映はさらに2〜4週間後になることが一般的だ。合計2〜3ヶ月が目安となる。

Q:左打ちに転向したいのですが、素振りで練習できますか?
A:素振りは左打ち転向の第一歩として最適な練習方法だ。まずは軽いバットで左打ちの基本フォームを作り、1日30回から始めて徐々に回数を増やしていく。右打ちの素振りも並行して継続し、感覚を比較しながら進めると上達が早い。

Q:素振りの際、バッティンググローブは着けるべきですか?
A:試合でバッティンググローブを着用するなら、素振りでも着けることをおすすめする。グリップの感覚を試合と統一することが重要だ。ただし、素手での素振りも手のマメを鍛え、グリップ感覚を磨く効果がある。両方を使い分けるのが理想的だ。

まとめ:今日から始める質の高い素振り

素振りは野球における最もシンプルで、最も奥深い練習だ。この記事で紹介したポイントを振り返ろう。

  • 素振りは回数よりも質が重要。1スイングごとに目的と意識を持つ。
  • 実際の投手やコースをイメージしながら振る。
  • 年代に応じた適切な回数を設定し、無理をしない。
  • 基本の素振りに加え、応用ドリルでバリエーションをつける。
  • ビデオ撮影でフォームを客観的にチェックする。
  • 他の練習と組み合わせて総合的な打撃力を向上させる。
  • 継続するためのモチベーション管理も練習の一部。

NPBのトップ打者たちが毎日何百回もの素振りを欠かさないのは、この単純な練習が持つ力を誰よりも知っているからだ。今日のあなたの1スイングが、明日の打席での結果を変える。さあ、バットを握って、質の高い素振りを始めよう。

著者

田中 健太

田中健太は元NPBマイナーリーグ選手で、現在は公認バッティングインストラクター。15年以上の野球経験を活かし、バッティング技術、ピッチング指導、野球用品のレビューを専門としています。高校野球から社会人野球まで幅広い選手の指導実績があります。

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